写実的な雪の風景画が多い、デンマークの画家、アンダース・アンデルセン・ルンビ。
ルンビは、19世紀半ばにデンマークの農村で生まれた風景画家で、あまり詳しい生涯は分からないものの、途中、ドイツに移り住んだようだ。静寂に包まれた冬の風景画が多く、山や森など、自然のなかの雪景色がよく描かれている。まるで写真のように写実性が高く、奥行きのある構図もあってか、冷たい風が鑑賞者の世界にも吹き込んでくるように思える。
流れる川や木々、雪のなかで暮らす人々、ぽつんと佇んでいる動物たちもときおり描きこまれ、雪山と生命との繋がりも感じられる。
アンダー・アンデルセン・ルンビ
Forest in Winter
ただ、必ずしも雪の絵だけを描いていたわけではなく、緑に包まれた景色や牧歌的な水辺の絵もある。ルンビの緑の風景画は、どことなくバルビゾン派の世界を連想させる。
アンダース・アンデルセン・ルンビ
View over a lake, in the background a small white house
とは言え、あくまで雪の風景画家といった印象が強く、しんと静まり返ったような、一枚一枚の雪景色からは、深いリアリティが伝わってくる。