グウェン・ジョンは、ウェールズ出身の19世紀後半から20世紀前半のイギリスの女性画家で、女性の肖像画や猫の絵を多く描いた。
弟も画家で、ともにロンドンの美術学校で学んだ。若い頃にパリで出会った彫刻家のオーギュスト・ロダンのモデルとなり、愛人関係となったことでも知られる。また、ピカソやマティス、リルケといった著名な芸術家たちと交流(と言っても、作風においては直接的な影響は受けていないようだ)し、その後、パリ郊外で猫と一緒に暮らしながら絵を描き続けた。
グウェン・ジョン
Tortoise-shell cat
彼女の絵は、落ち着いた柔らかな肖像画の雰囲気も、誰もいない室内画の光の加減や寂しさと優しさの調和もいいなと思う。誰もいない部屋と言ったら、ハンマースホイの絵を思い出す(グウェン・ジョン自身、ハンマースホイの作品に影響を受けたというような話も読んだ)。
ただ、グウェンの絵では、猫とずっと暮らしていたという話から、猫の印象が強く、確かに、愛情が伝わってくるような様々な姿の猫の絵が残されている。